丹沢山の百年檜

吉野ヒノキ、秋田杉や北海道の楢など産地にこだわって木を使って来ましたが、静岡や神奈川でも良い木はあるのではないかと、このところ考えるようになりました。私たちが手掛けている住宅の建築地は神奈川と東京なので、この地域に近ければ輸送コストを抑えられるのではないか。その輸送コスト分を質の良い木を仕入れ、そして育てる費用に充てられるのではないか。そうすれば山の環境も良くなり循環していくように思う。

私たちが丹沢の山に植林してから8年が経ちます。間伐が行き届かなく山の土が変化してきているという話を以前聞きました。このような土の変化が、集中豪雨などで山を崩すことにつながっているのではないでしょうか。地域の山を守るためにも、何か家づくりに取り入れられるものはないか考え、神奈川で林業を営んでいる会社のキャンプ場の山を見学しに行って来ました。



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ヒノキに含まれる「木の香りの素」フィトンチッドには、光合成を行う大切な葉を病害虫から守る殺菌効果があります。また、ヒノキにはカビやダニの発生を抑制する働きもあります。よくヒノキの森には鳥がいないといわれますが、ヒノキが有する防虫効果によって鳥の餌となる虫にとっては住みにくい森だからなのです。そのほか、ヒノキから抽出される「ヒノキチオール」という天然エキスにも強力な抗菌・抗カビ作用があることが分かっています。この山は時期的にまだ涼しい季節からなのか、蚊や虫が少なく過ごしやすい環境でした。



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この山は間伐もされていて、こもれびがほどよく地面に降り注いでいるので土にも良さそうな環境です。歌舞伎座の檜舞台にこの山の百年檜が使われているそうです。歌舞伎座百年檜はこちら
丹沢は、他の地域の檜産地と異なり、子供の遠足や家族のキャンピングに使われるほどで、険しい山地でないがため、全地域が豊富な腐葉土で形成されている。これは、森林生態系において地上部の植物により生産された有機物が朽木や落葉・落枝となり地表部に堆積し、大小様々な土壌動物による生化学的な代謝作用により分解された土が丹沢には豊富であることが特徴である。そういう点では丹沢檜の生育地が、肥沃な土地で形成されている里山と類似しているとも言える。




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丹沢のいたる場所に小川があり、水が豊富である。一般的に檜の植林地は高所にあり、地形は割と険しく、根の周りに水が少ない。丹沢檜の根系は、水が地中に適切に豊富であるため、細根は地中広く、太根は地中深く這いわたり、1年中、そして100年間、地中の水をムラなく吸い上げてきた。これは樹木にとり生育環境が極めて良い場所であると言える。
樹木の木部形成には、季節的変化、水量、地形などにより大きく影響を受ける。神奈川の丹沢檜を1本1本、伐採した切り口を観察すると、どれも100年間の年輪の幅はほぼ等しく、よって生育に必要な環境に恵まれていることが判断できる。
バイオ乾燥機株式会社より



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木が健康に育つには、太陽の恵みと水が必要だ。キャンプサイトの小川の水もとてもきれいで、上流の湧水は飲み水として使用されている。朝方の冷え込みも寒がりの私には応えましたが、山には良いと伊勢神宮の式年遷宮のときに聞きました。このように整った環境で育った木は最高の効果を示してくれることでしょう。素晴らしい環境のなか、心地いい一時を過ごすことができました。このような木を使い続けることができるように努力していきたいと思います。
所長様、お忙しい中ご対応ありがとうございました。またお伺いさせていただきます。


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